• ハイスペックなドスパラのデスクトップ型ゲーミングパソコン
  • 第12世代 Core i7 + GeForce 3080 というゲーマー憧れの構成
  • ハイスペックだが30万円以下で、まだ常識的な価格
ドスパラ GALLERIA XA7C-R38

こんな人にオススメ!

  • 最新のゲームを快適に遊べるパソコンが欲しい方
  • ゲームのライブ配信や実況動画の公開を考えている方
  • 4K画質や高速描画のモニターを活かせるパソコンが欲しい方

※ GALLERIA XA7C-R38 は第13世代 Core 搭載型にリニューアルされました。
当ページのレビューは第12世代 Core 時代のものなのでご注意ください。
ただ、CPU 以外に変更はありません。

このレビューは実機の貸出を受けて作成しており、リンクにはアフィリエイトが含まれています。
レビューは公正に、忖度なく行っております。

GeForce RTX 3080 の実力

本機はドスパラのゲーミングパソコン GALLERIA(ガレリア)の上位デスクトップモデルだ。
CPU に第12世代の Core i7、そしてビデオカードに GeForce RTX 3080 を搭載している。

GeForce RTX 3080 は常識的な価格のビデオカードとしては最上位に位置するものだ。
それでも安くはなく、これと第12世代 Core i7 の組み合わせは2022年 夏時点のゲーマーのあこがれと言えるだろう。

GALLERIA XA7C-R38 は、そんな手が届く高額モデルとしては定番構成のパソコンだ。

GALLERIA XA7C-R38(2022)

価格は(2022年8月下旬時点で)税込279,980円
20万円台に抑えられており、このスペックを30万以下で買えるメーカーは少ない。
ちなみに GeForce RTX 3080Ti になると35万円前後、3090 だと40万円台後半となる。

GeForce RTX 3080 の性能だと、現行のゲームに対してはオーバースペックだ。
だが、十分な性能があれば長く使えるし、4K画質や200fpsクラスの高速描画でゲームを楽しむこともできる。
高い負荷のかかるゲームのライブ配信なども、軽くこなすことができるだろう。

以下、その詳細をお伝えしていきたい。

ケースと外観

デザインと接続端子

本機には GALLERIA(ガレリア) の背の高いケースが用いられている。
つや消しブラックとガンメタリックの渋い配色で、たくさんの排気穴が並んでいるのが特徴だ。

工業製品のような重量感のあるデザインだが、電源を入れるとゲート型 LED ライトが灯り、無骨さを和らげてくれる。

高さは48cmと、ミドルタワーと呼ばれるサイズとしては大きく、幅も22cmと広め。
他社製品と比べると寸胴な印象を受けるが、この幅の広さが大型のCPUクーラーやケースファンの搭載を可能にしている。

GALLERIA デスクトップケース(大型)外観

重厚な印象を受けるケース。たくさんの排気穴が高い通気性を主張している

GALLERIA デスクトップケース ゲート型LEDライト

電源を入れるとゲート型LEDが灯る
派手すぎないイルミネーションが良い

前面上部にナナメの切り欠きがあり、そこに電源やUSB端子がナナメ上向きで配置されている。
背が高く重量もあるため(約14kg)、床置きに向いたデザインだ。

大きな特徴は側面のクリアパネルで、中がのぞけるようになっている。
標準ケースに除き窓が付いているのはPC好きには嬉しい。

本機は天上の穴からも吸排気を行っているため、通気を塞ぐようなものは乗せないようにしよう。

GALLERIA ケースの前面端子部

互いが干渉しにくい縦向きのUSB

GALLERIA ケースの側面のぞき窓

除き窓はガレリアケースの特徴の1つ

前面に4つあるUSB端子はすべて最大速度5Gbps(Gen1)だ。
背面には1つのUSB-Cを含む、合計8つのUSB端子が用意されており、うち2つとUSB-Cは最大速度10Gbps(Gen2)となっている。

有線LAN端子は高速回線の 2.5Gbps に対応。
映像出力はビデオカードに HDMI 2つ、Display Port 3つが付いており、最大4画面のマルチモニターに対応している。
(端子の種類が解らない方は こちら を)

無線通信と Bluetooth は標準搭載していないが、カスタマイズでの追加は可能だ。

内部構造と冷却

GeForce RTX 3080 は発熱が大きいため、本機は強力なエアフロー(通気性)を備えている。

ガレリアのデスクトップケースは前面・背面・天井と3つものケースファン(送風機)を備えており、ファンのサイズも14cmと大型だ。
長時間、高負荷なゲームをプレイをしても安定して動作するようになっている。

ファンが大きいと騒音も大きそうだが、大型の静音ファンで高い風力を保ちつつ回転数を抑えているため、高負荷でないときの動作音はむしろ小さい。

GALLERIA デスクトップのエアフロー

さらに大型のヒートシンク(放熱板)が付いた、冷却効率の良いサイドフロー(横向き)のCPUクーラーが付いており、水冷ではないが、いかにも冷えそうだ。
サイドフローならケース内の空気の流れもより強くなる。

なお、カスタマイズで「虎徹 Mark II」や「無限五 Rev.B」といった強力なクーラーや、水冷式クーラーに変えてもらうこともできる。
ただ、本機の CPU である Core i7-12700 はそこまで発熱は高くないので、こだわる人向けだろうか。

内部の様子は以下のようになっている。

GALLERIA XA7C-R38(2022)ケース内部

中央の GeForce が目立つケース内
スチール製でかなりガッシリしている

GALLERIA XA7C-R38(2022)CPU周辺

サイドクーラーを装着可能な大型ケース
天井と背面の2方向から排気を行う

さすがに GeForce RTX 3080 はサイズが大きく、奥行き幅はこのケースでもギリギリなぐらいだ。
厚さも太く3スロット占有で、電源コードは2本繋がっている。

本機にはこの巨大なビデオカードを支えるための支柱が付いており、ドスパラはこれをリジッドカードサポートと呼んでいる。

電源ユニットは下部のボックス内に収納されていて、コードも裏側に回されているためゴチャゴチャ感はない。
電源の吸気は底面から行われている。

GALLERIA XA7C-R38(2022)内部前面

ビデオカードは前面ファンのすぐ後ろまで来ており、柱で支えられている

GALLERIA デスクトップケース 裏面配線

裏面配線の様子。多くのコードはこちら側にまとめられている

拡張スロットは PCIe x1 がビデオカードの上に1つ、PCIe x16 が下部の離れた位置に1つある。
空きの PCIe x16 スロットがもう1本あるのだが、ビデオカードの送風の妨げになるので使わない方が良い。
M.2 スロットも空きが2つあるので、拡張性は十分だろう。

なお、無線LANを追加した場合は PCIe x1 スロットに装着される。
マザーボードは ASUS 製の こちら のものが使われていた。

下部の電源収納カバーの上には HDD/SSD のマウンタ(取付部)が2つあり、5インチベイ(DVDドライブ収納部)の周辺も広く空いている。
必要なら5インチベイに HDD/SSD 収納スペースを設けることもできそうだ。

GALLERIA XA7C-R38(2022)拡張スロット周辺

GeForce 3080 が極太なので、PCIe スロットが1つ隠れ、直下も使うべきでない

GALLERIA XA7C-R38(2022)底の吸気口

底面には電源の吸気口がある。カーペットや絨毯に置くなら板を敷いておきたい

電源は 750W で 80PLUS GOLD のものが標準搭載されている。
標準で GOLD なのは嬉しいが(省エネ性能や安定性が高い)、750W というのは単体で 320W 使う GeForce RTX 3080 搭載のパソコンとしては、ちょっと少ない印象もある。
電源には経年劣化があって出力が下がっていくので、長く使うなら 850W 以上を勧めたい。
なお、PLATINUM や TITANIUM の製品ならさらに省エネ性能に優れる。

パーツ性能

処理性能(CPU)

※2023年1月以降は第13世代 Core の「Core i7-13700F」を搭載しています。
この項目の表記は Core i7-12700 時代のものです。

本機は第12世代 Core の CPU「Core i7-12700」を搭載している。
2022年になって発売された最新型で Alder Lake(アルダーレイク)と呼ばれているタイプ。

第12世代 Core の多くは「Pコア」と呼ばれる高性能コアと、「Eコア」と呼ばれる発熱の低い高効率コアを組み合わせた複合構成になっており、Core i7-12700 はPコア8つ、Eコア4つを内蔵する。

Core i7-12700, CPU-Z

Pコアは同時に2つの作業(スレッド)を行えるため、12コア20スレッドの CPU だ。
キャッシュ(CPU内のデータ置き場)も第11世代 Core の約1.5倍に増加した。

TDP(発熱の目安)は 65W で、第12世代とはいえ標準モデルなので、そこまで発熱が高いわけではない。

以下はベンチマーク(性能測定)ソフト CINEBENCH R23 の結果と、他のデスクトップ用 主流 CPU との比較グラフだ。

GALLERIA XA7C-R38, Core i7-12700, CINEBENCH R23

Core i7-12700 測定結果

GALLERIA XA7C-R38, Core i7-12700, CINEBENCH R23 動作再現アニメGIF

動作速度の再現

・マルチコア性能(CINEBENCH R23、10分測定)

Core i9-12900K:25000

Core i7-12700K:21000

Ryzen 9 5900X:20500

Core i5-12600K:16500

Core i7-12700:15000

Ryzen 7 5800X:14500

Core i7-11700K:13500

Core i5-12400:11500

Ryzen 5 5600X:10500

Core i7-11700:9200

Core i3-12100:8500

Core i5-11400:8000

・シングルコア性能(CINEBENCH R23)

Core i9-12900K:2000

Core i7-12700K:1900

Core i7-12700:1900

Core i5-12600K:1870

Core i5-12400:1720

Core i3-12100:1650

Ryzen 9 5900X:1600

Ryzen 7 5800X:1580

Core i7-11700K:1550

Core i7-11700:1520

Ryzen 5 5600X:1520

Core i5-11400:1400

第12世代 Core のシングルコア性能は現行最高クラスの1900を叩き出した。
多くのソフトウェア、特にゲームはこのシングルコアの方が影響するため、ゲームPC用のCPUとして非常に優れていると言える。

マルチコアの測定値は約15000で、こちらも高性能。
「K」付きのCPUには及ばないが、K付きのマルチコア性能が高いのは高負荷時に温度が許す限りの爆走をするためで、冷却もファンをうなりを上げる。
そこにロマンを感じる人や自分で手綱を引ける人以外は、標準モデル(Kなし)の方が良い。

第11世代 Core と比べるとマルチ約1.5倍、シングル約1.3倍の性能があり、ゲームだけでなく、あらゆる作業を快適にこなせるだろう。

高いエアフローと大きなCPUクーラーを持つ本機はCPUの冷却力も過剰と言えるほどで、ベンチマーク測定中でもCPU温度は50度前後で安定していた。
おかげで動作音は高い負荷をかけても、ずっと静かなままだった。

グラフィック性能(GPU)

本機のウリはビデオカード「GeForce RTX 3080」を搭載していることだ。
高額だがeスポーツ選手や映像編集者、実況配信者の多くが利用する、プロレベルの非常に高い性能を持つ。
4Kの高解像度も苦にせず、リアルタイム・レイトレーシングといった新しい映像技術も高いレベルで実行できる。

この上にまだ 3080Ti や 3090 といった製品もあるが、それらは高額すぎるため、3080 が標準的な最高クラス言える。

以下はベンチマークソフト 3DMark:TimeSpy での性能測定結果だ。

GALLERIA XA7C-R38(2022)GeForce RTX 3080 3DMark TimeSpy
※ゲームパフォーマンス予測の1080pは解像度1920x1080、1440pは2560x1440。
Ultra は最高画質設定であることを示す。

3D Mark:Time Spy のグラフィックスコアは約17300
(CPUも含めた)総合スコアは約17000だった。
搭載している VRAM(ビデオメモリ)は10GB。

他の現行のデスクトップPC用ビデオカードとの性能比較は以下のようになる。

・3D Mark: TimeSpy(デスクトップ用)

GeForce RTX 3080(320W):17000

GeForce RTX 3070Ti(290W):14500

GeForce RTX 3070(220W):13500

GeForce RTX 3060Ti(200W):11500

GeForce RTX 3060(170W):8700

GeForce GTX 1660SUPER(125W):6000

GeForce GTX 1650(75W):3600

GeForce GTX 1050Ti(75W):2500

Iris Xe(CPU内蔵、第12世代):1700

Iris Xe(CPU内蔵、第11世代):1400

グラフの細い青棒は TDP(消費電力と発熱)の比率で低いほど良い。
GeForce RTX 3080 は最大320Wという高い電力を消費するが、性能比で言うと電力効率は悪いわけではない。

人気ゲーム「Apex Legends」のトレーニングステージのFPSは、上限の300FPS(秒間300コマ)に達する。
もはや正常に測定できない状態で、太陽の方を向いてダッシュするなどの高負荷な状況にしても250FPSで動作した。

モンスターハンターライズは高画質で、移動中は180FPS前後、負荷の高い地形で戦闘している時でも120FPS~160FPSで動作する。

Apex Legends

Apex は FPS がカンストしてしまう

モンスターハンターライズ

モンハンライズで戦闘中は 140FPS 平均

ファイナルファンタジー15は高画質、1920x1080の解像度で「非常に快適」の評価、スコアは約15000。
解像度2560x1440でも同じく「非常に快適」で、スコア約12000。
解像度3840x2160(4K画質)は「快適」で、スコア約7500。
4K画質でも快適に遊べる性能は流石としか言い様がない。

また、鏡面への景色の反射などを処理する技術リアルタイム・レイトレーシングのテスト(Port Royal)もスコア約11300と、1万を超える高い数値となった。
この技術が使われているゲームやCGはまだ少ないが、今後活用されることになるだろう。

GALLERIA XA7C-R38(2022)FF15 ベンチマーク 4K

4K画質でもFF15で快適を出せる性能

GALLERIA XA7C-R38(2022)3DMark PortRoyal

レイトレーシングのテストも軽快

TDP 320W なので「発熱がすごいのでは?」「冷却ファンがうるさいんじゃない?」と思われている方もいると思うが、意外とベンチマーク中の動作音は静かであり、気になることは全くなかった。
さすがにストレステスト(20分間の高負荷テスト)では途中からファンの音が大きくなったが、ゲーミングモデルとして一般的なレベルであり、そこまでうるさくはない。

少なくとも本機は、TDP に比例する騒音はないので安心して欲しい。

ストレージとメモリ(データ記録装置)

標準搭載のストレージ(記録装置)は 1TB の「NVMe SSD」となっている。
小さなスティック型(M.2)の SSD で、従来の SSD(SATA接続)よりも大幅に速く、今はこれがメインストレージとして利用されることが多い。

本機はストレージのカスタマイズが豊富で、2TB の大容量にしたり、より高速な第4世代 PCIe(Gen4)の製品に変えてもらうことが可能。
さらに2つまでの HDD や SSD、NVMe SSD の追加も行える。
(NVMe SSD の追加は1つまで。ただ、空きの M.2 スロットは2つある)

大型機らしく十分なストレージを搭載でき、古いパソコンのストレージの移植も(自力で出来る人なら)容易だ。

以下は検証機に搭載されていた NVMe SSD のベンチマーク(性能測定)結果だ。

GALLERIA XA7C-R38(2022), NVMe SSD, CrystalDiskMark 標準測定, PS5012-E12S

標準設定で測定

GALLERIA XA7C-R38(2022), NVMe SSD, CrystalDiskMark NVMe SSD用測定, PS5012-E12S

NVMe SSD 設定で測定

読み込みは約3500MB/s、書き込みは約3100MB/s。
第3世代 PCIe(Gen3)の製品としてはどちらも優秀な数値だが、さらに優れているのはランダムアクセス(3段目)だ。
NVMe SSD 設定の測定(同時処理あり)で、読込1800MB/s、書き込み1000MB/sの速度が出ている。
これはランダムアクセスの速度としてはかなり高い。

実際の使用感、特にゲームに影響するのはランダムアクセスの方なので、ここが優れているのは嬉しい。
シーケンシャル(1段目)とランダムの双方に優れているため、得手不得手のない製品と言える。
なお、使われているのは米ウェスタンデジタル(WD)の こちら のものだった。

メモリは標準で 16GB 搭載されているが、メモリスロットは4本あり、カスタマイズで128GB まで増量可能。
DDR4-3200(PC4-25600)が使用されており、最新の DDR5 ではないが、ゲームで DDR5 の影響を受けられるものはほとんどないので、ゲーミングモデルとしては DDR4 が一般的だろう。
(そもそもマザーボードが DDR5 に対応していない)

2本のメモリにデータを分散して高速化するデュアルチャネルで動作しており、特に問題はないが、長時間ゲームをしたり動画や画像を扱う作業を行うのであれば、32GB に増量しておくのも良いだろう。

総評

今さら言うまでもないのだが、やはり GeForce RTX 3080 は凄かった。
心配していた騒音も思ったほどではなく、価格は高いが、今後数年先のゲームも快適であろうことを考えると、コストパフォーマンスはむしろ高いのかなと思う。

第12世代のCPU Core i7-12700 の優秀さも当サイトでは散々語ってきたところで、この二つの組み合わせは、やはりハイスペック・ゲーミングマシンとしては定番と言えるだろう。

安い構成ではないが、やはり良いものは良い。
ケースは大きいが、それ故の冷却と拡張性を備える。
当たり前の結論だが、検証して改めてそう感じたハイスペックPCだ。

GALLERIA XA7C-R38

GALLERIA XA7C-R38

ケース:デスクトップ(ミドルタワー)
CPU:Core i7-12700(第12世代、12コア20スレッド)
※2023年以降は Core i7-13700F(第13世代)
グラフィックス:GeForce RTX 3080 10GB
メモリ:16GB(DDR4-3200、8GBx2)
ストレージ:1TB NVMe SSD(Gen3)
電源:750W(80PLUS GOLD)
その他:ケースファン3つ、ストレージ2つ追加可、空きM.2スロットx2
価格:税込279,980円

※詳細はドスパラ公式サイトをご覧下さい。
※仕様・価格は時期により変更の可能性があります。

執筆:2022年8月30日