パソコンを開発・販売している会社はたくさんあります。

多くの方は NEC や東芝、富士通などの電機メーカーを思い浮かべると思いますが、他にもパソコン専門メーカーのマウスコンピューターやドスパラ、外資系の DELL(デル)や HP(ヒューレットパッカード)などが有名です。

そしてそれぞれのメーカーに、得意分野と苦手分野があります。

メーカー品(家電メーカーパソコン)

【国内家電系】
NEC、富士通、東芝 など

ブランドPC(専門メーカーパソコン)

【専門系 / 外資系】
マウス、ドスパラ、HP、DELL など

NEC は初心者向けのノートパソコンとモニター一体型が中心。 富士通の個人向けも同様。
東芝(シャープ)やパナソニックはビジネス用のノートパソコンが中心です。
これら国内家電メーカーの製品は価格は高めですが、サポートが厚く、信頼性も高く、初心者向けのメーカーと言えます。

マウスコンピューターやドスパラはデスクトップも含め、幅広いモデルを扱い、高性能なものを安く買うことができます。
また、カスタマイズが可能で、ゲーム用やクリエイター向けのパソコンも得意。
パソコンに触れたことがある方は、これらの専門メーカーの方が良いでしょう。

海外メーカーのうち、HP はオシャレな個人向けのパソコンが多く、DELL は実用性重視のビジネスモデルが中心、レノボは安価な製品が多いです。

このように、メーカーの特徴は様々です。
パソコンで何がしたいのか?」のページで述べたように、まずはパソコンの用途を考えることが大事。
そしてどんな風に使いたいのか決めたら、その分野を得意とするメーカーを選びましょう。
もし、そのメーカーが苦手とする分野のパソコンを買ってしまうと…… 大抵後悔します。

以下で各メーカーの特徴を簡単にご紹介しましょう。

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各メーカーの評価・解説は公平に行っております。

パソコン専門メーカー系

マウスコンピューター
マウスコンピューター
一般モデルからゲーミングモデル、クリエイター向けまで豊富なパソコンを扱う専門メーカーで、デスクトップもノートPCも得意。
右肩上がりの成長を続けている会社で、高い開発力と大きな国内生産工場を持ち、発展に伴って品質管理やサポートも向上。
性能に対して価格が安く、カスタマイズが可能で、デザインも良く、欠点のないおすすめメーカーです。

得意分野:パソコン全般。特に個人向けとゲーミングモデルが人気。
苦手分野:特になし。
ドスパラ(Dospara)
ドスパラ
ゲーミングモデルが人気のメーカー。 大型のデスクトップパソコンや、ゲーム用のパソコンでは定番です。
元がパーツショップなのでカスタマイズに優れ、性能に対する価格も安いです。
パソコンの知識が豊富な中級者以上の方に好まれているメーカーで、発送の速さもウリにしています。

得意分野:ゲーミングPCとカスタマイズ重視のデスクトップ。各都市に店舗あり。
苦手分野:ビジネスモデルは少ない。
パソコン工房
パソコン工房
地味ながら高い技術力を持ち、一通りの製品を扱っています。
安いものから高性能なものまで豊富にそろえていて、カスタマイズも可能、性能に対する価格も安めです。
全国に店舗を持ち、修理業務などを行っているため、近くにお店がある人ならサポートも安心です。
有名な動画配信者やゲーム選手とのコラボにも力を入れています。

得意分野:パソコン全般。多くの店舗がある。
苦手分野:やや特徴に欠ける。

国内電機メーカー系

NEC
初心者向けのノートパソコンやモニター一体型が中心です。
映像や音響を重視した個人向けのパソコンが主力で、軽量ノートパソコンにも力を入れています。
初心者向けに特化したマニュアルと案内ソフトを備えており、サポートにかなり力が入れられています。
ただ、趣味での一般利用や軽作業を想定しているため、ゲームや高度な作業には向きません。
ビジネスモデルは、ほぼ法人向けです。

得意分野:初心者向け。軽量ノート。モニター一体型。
苦手分野:高性能モデル。ゲーム。割高。
富士通
ノートパソコンやモニター一体型、タブレットなどを扱っています。
初心者向けの製品が多めですが、ビジネス用のパソコンにも力を入れており、国内家電系としては豊富なモデルを用意しています。
軽量ノートPCの分野でNECと競い合い、世界最軽量のノートパソコンを開発して差を付けました。
高い技術力で特徴のある製品を作りますが、価格は割高で、初心者向け過ぎるパソコンも多いです。
高齢者を重視したデザインやサポートを行っているのも特徴です。

得意分野:初心者向け。軽量ノート。ビジネス。高齢者サポート。
苦手分野:ゲーム。割高。
Dynabook(東芝、シャープ)
東芝
東芝のパソコンでしたが、2018年末にシャープに買収されました。
しかし特徴はそのまま引き継いでおり、今でもサポートは東芝で行われています。
技術力が高く、薄型軽量ノートパソコンや、小型のビジネスノートなどが中心。
処理速度よりも耐久性を重視しており、安定して長く使えると評判ですが、全般的に高価です。
初心者向けの案内とサポートに力を入れており、抗菌ノートパソコンを作るなど、日本らしい製品開発を続けています。

得意分野:軽量ノート。ビジネス。デザイン。サポート。耐久性。
苦手分野:ゲーム。デスクトップはない。高価。
パナソニック
ビジネス用のノートパソコンのみを扱っています。
かなり高額ですが、ビジネスノートとしては最高品質と言え、軽量、高耐久、長時間駆動、強固なセキュリティを持ちます。
ビジネスに不要な機能、例えば映像や音響などは軽視されています。
企業での導入例が多いメーカーです。

得意分野:高級ビジネスノート。セキュリティ。耐久性。
苦手分野:ビジネス用途以外には向かない。非常に高価。デザインがレトロ。
VAIO(バイオ)
VAIO
ソニーのノートPCでしたが、2014年に別の会社に移管されました。
今もソニーが販売を行っていますが、開発や生産は「VAIO株式会社」が行っています。
現在のコンセプトはパナソニックと似ていて、軽量高耐久の高級ビジネスノートという位置付けですが、個人利用も考慮しており、薄さや画質なども重視しています。
デザインはパナソニックより今風です。

得意分野:ビジネスノート。高級感。デザイン。耐久性。
苦手分野:ゲーム。デスクトップはない。高価。

外資系メーカー

日本HP
HPicon
アメリカが本社で「ヒューレット・パッカード」の略です。
デザインに優れた個人向けのノートパソコンが主力で、センスの良いものが多いです。
小型のデスクトップパソコンやモニター一体型、タブレットまで幅広い製品を作っており、ゲーミングPCにも力を入れています。
高い技術力を持ち、プリンターやモニターなどの周辺機器でも大手。
外資系ですが、日本向けの製品は東京工場で生産されています。

得意分野:各種ノート。スリムデスクトップ。デザイン。周辺機器。
苦手分野:日本は新製品の登場が遅め。
DELL(デル)
デル株式会社
アメリカのパソコン会社で、ビジネスモデルが中心。
使い勝手を重視しており、価格が安めですが、上位モデルは作り込んでいるぶん高額で、差が大きいのが特徴。
発送の早い即納モデルに力を入れています。
エイリアンウェアというゲーム用のパソコンブランドもあり、こちらは高級で性能重視。
HPやレノボと世界シェアを争っており、高い技術力を持ちます。
サポートは有料だと手厚いのですが、無料だとそれなりで、マニュアルも簡素。
初心者向きとは言えないところがあります。

得意分野:ビジネスノート。安価なノート。ゲーミングモデル。
苦手分野:カスタマイズ。無料サポート。
Microsoft(マイクロソフト)
Microsoft Surfaceicon
2in1 と呼ばれる、ノートPCとタブレットを兼用するパソコンを主力としています。
Windows や Office などのソフトウェアを開発している会社のため、これらのトラブルが少ないのが長所のひとつです。
価格は割高ですが、作りが高級で高品質。
大学生や若手社会人に人気で、手軽さ重視の製品が多めです。
タブレット型では性能に限りがあるため、最近は 2in1 ではない普通のノートパソコンにも力を入れています。

得意分野:2in1(ノート+タブレット)、Windows タブレット
苦手分野:サポート。ゲーム。高価。
レノボ
lenovo(レノボ)
中国のパソコン会社で、安価な製品が主力。
無骨なデザインのビジネスモデルが中心だったのですが、近年はスマートな個人向け製品にも力を入れています。
耐久性とキーボードに定評があり、安く買いたい人に人気です。
個人向けは2in1やタブレットを含む、軽量の製品が中心。
サポートは以前は不評でしたが、NECがレノボ製品のサポートも行うようになり、最近は良くなっています。

得意分野:ビジネスモデル。モバイルノート。安価な製品。
苦手分野:カスタマイズ。ゲーム。
ASUS(エイスース)
ASUS(エイスース、アスース)
台湾のパソコン会社。どちらかと言うとパーツの会社ですが、近年はパソコン本体も販売しています。
量販店向けの安価な一般向けノートパソコンと、特徴的なWEB販売用のノートパソコンがあり、ゲーミングPCも主力。
近年、高画質な有機ELモニター搭載の製品に力を入れています。
サポートに難がありましたが、国内にサポートセンターが設置され、かなり改善されました。
カスタマイズには今も未対応ですが、技術力があり、自前でパーツを調達できるため、性能に対して割安です。

得意分野:ハイスペックノート。高画質ノート。ゲーミング。
苦手分野:カスタマイズ。
Apple
Apple
Apple のパソコンは「Mac」と呼ばれ、他のパソコン(Windows PC)とは大きく異なります。
他とは使い方や用語が違い、周辺機器やソフトウェアなども専用のものが必要です。
薄型ノートやモニター一体型、タブレットが中心で、長時間バッテリーで静かに動くものが多いです。
デザインに優れ、おしゃれやブランドを重視する人に好まれます。

得意分野:タブレット。デザイン。ブランド。専門ショップが多い。
苦手分野:機器やソフトは専用品が必要。特殊で高価。

コストパフォーマンスや信頼性を含めてオススメなのはマウスコンピューター。
カスタマイズとデスクトップではドスパラが定番で、近所にお店がある場合は実店舗でのサポートを受けられやすいパソコン工房もお勧めです。
安く高性能なものを買いたい人や、動画編集者やCG作成者、3D設計などを行うクリエイターの方も、これらが良いです。

しかしノートパソコンは、dynabook(東芝)、NEC、富士通も良いです。
品質や素材、サポートがしっかりしており、価格は割高ですが、信頼性のあるものを選べます。
薄型軽量化の技術でも先んじており、初心者向けのガイドもあって、初めての人も安心です。

ただしゲームをやりたい場合は、ノートパソコンでもマウス・ドスパラ・パソコン工房などの専門メーカーで選んで下さい。

ビジネスに限定する場合、セキュリティや耐久性で VAIO やパナソニック(レッツノート)が突出していますが、かなり高額です。

外資系は特色がはっきりしています。
品ぞろえが豊富でデザインの良い HP、実用性を重視した DELL、2in1(タブレット兼ノート)のマイクロソフト、高画質でハイスペックな ASUS といったところでしょう。
コストパフォーマンス(安さ)ならレノボですが、安すぎるものはそれなりなのでご注意を。

Apple の Mac(マック)はデザインに優れますが、クセの強いパソコンです。
他とは使い方が違うため、最初からこれを使っていると Mac しか使えなくなります。
一般に販売されているソフトウェアもほとんど Windows 用なので Mac では使えません。
もちろんゲームもダメで、一般の仕事でも困ることが多いです。

軽作業やインターネットなど、スマホの延長のような使い方においては優れています。
起動が早い、iPhone との相性が良い、オシャレアピールできるといった利点もありますが…

ドヤリング
Cafe で Mac を使うのはオシャレのひとつ。 ただ PC としてはデメリットも多い。
多用途には向かないパソコンで、仕事用としてはデザイン・映像・音楽関連の人に限られます。

購入時には、どこで買うかも問題になります。
特に専門メーカーのパソコンは、大手家電量販店では扱っていないことが多いです。
これについては「どこで買うべきか?」のページをご覧下さい。

初心者に特化したメーカー選び、及び各メーカーのサポート体制については こちら で、ゲーミングモデルを扱うメーカーと特徴については こちら で、より詳しく解説しています。

各メーカーの評価理由やリストにないメーカーについてなど、もっと突っ込んだ話は こちら を……