※CPUのロードマップ(今後の予定)は こちら に移しました。
パソコンの性能を見るときに、一番重要視されるのが「CPU」です。
パソコンの「頭脳」であり、様々な計算や作業は、ここがほとんど行っています。
よって CPU の性能が高いほど、パソコンは速く、反応よく動きます。
よく使われている一般的な CPU は以下のものです。
Core i7:高性能。値段も高めです。
Core i5:中間性能。値段と性能のバランスが良いタイプ。
Core i3:価格が安めのタイプ。性能は下位です。
Pentium:安いタイプ。採用製品は少なめ。
Celeron:もっと安いタイプ。安価なパソコン用。
よって性能の良いパソコンが欲しいなら Core i7 か Core i5 のものを選びたいところです。
Celeron が使われているパソコンは初心者向けか学習用、もしくは安さを追求した製品だと考えた方が良いでしょう。
日本では、そうしたパソコンには「エントリー向け」と書かれている場合が多いです。
近年、Core i7 より上位の Core i9 も見かけるようになりましたが、すごく高価で、一般向けとは言えません。
一方、同じタイプの製品でも、新しいものの方が性能は良くなります。
これは「第12世代 Core プロセッサ」というように「世代」で表され、以下のようなものがあります。
(プロセッサとは CPU のことです)
第8世代 Core プロセッサ:2017年秋に登場。通称 Coffee Lake。
第9世代 Core プロセッサ:2018年秋に登場。通称 Coffee Lake Refresh。
第10世代 Core プロセッサ その1:2019年秋に登場。ノート向け。通称 Ice Lake。
第10世代 Core プロセッサ その2:2020年春に登場。一般用。通称 Comet Lake。
第11世代 Core プロセッサ その1:2020年夏に登場。ノート向け。通称 Tiger Lake。
第11世代 Core プロセッサ その2:2021年夏に登場。大型機向け。通称 Rocket Lake。
第12世代 Core プロセッサ:2021年末に登場。通称 Alder Lake。
第13世代 Core プロセッサ:2022年末に登場。通称 Raptor Lake。
今の最新は「第13世代 Core」です。
第12世代 Core は一世代前ですが、ノートパソコンならまだ現役です。
それより古い第11世代以前の製品は、もうおすすめできません。
よって Core i7 が使われていても、古い世代のものなら、もう「型落ち品」です。
Core i7 でも、1世代前だと新世代の Core i5 ぐらい、2世代前だと新世代の Core i3 ぐらいの性能しかなかったりします。
そして CPU の世代によって「メモリ」や「マザーボード」などの他のパーツも決まります。
よって最新のパソコンでも前の世代の CPU が使われている場合、全体が「前世代の構成」ということになります。

CPU はこの様な板状のパーツです

同じ名前でも世代が違えば性能は別物
CPU には「型番」が付けられていて、これで世代がわかります。
また、同じ世代でも性能と価格が異なる、いくつかのバージョンがあります。
例えば第13世代の Core i7 には以下のようなものがあります。
Core i7-13700K:愛好家向け。高額だけどより高性能。ただし消費電力と発熱が高い。
Core i7-13700:標準タイプ。こちらの方が安く、消費電力と発熱も普通。
Core i7-13700T:消費電力と発熱を軽減したタイプ。ただし性能も抑えられている。
つまり同世代の Core i7 でも全部同じではない訳です。
種類が多いのでチェックするのは大変ですが、できれば型番も確認しましょう。
型番の4桁目と5桁目の数字で、世代が解ります。
「Core i7-9700」なら第9世代で、「Core i7-11700」なら第11世代。
3桁目の数字は高いほど上位型で、Core i5-9500 よりも Core i5-9600 の方が少し高性能で、高価格になります。
カスタマイズが可能なデスクトップパソコンは CPU の種類を選べるため、予算を考えながら、好みのものを選べます。
ちなみにカスタマイズは「BTO」とも呼ばれ、Build-to-Order の略、受注生産という意味です。
※マウスコンピュータの BTO パソコンの CPU 選択一例
また、CPU にはデスクトップ用とモバイル用(ノートPCやタブレット用)があります。
一例として、モバイル用のCPUには以下のような種類があります。
Core i7-13700H:H はハイクオリティータイプ。高性能ですが消費電力と発熱が多いため、ノートパソコンだとバッテリーの消耗は早くなります。
Core i7-1360P:P は第12世代以降の標準型の名前。
Core i7-1355U:U は薄型軽量のモバイルノート向け。性能は控えめですが消費電力が低く、バッテリーが長持ちします。
Core i7-10510Y:Y は超低電力タイプ。主にタブレット用で、消費電力と性能はさらに低め。
モバイル用の CPU はバッテリーを長持ちさせて、発熱も軽減する必要があるため、消費電力を抑えており、代わりに性能は低めになっています。
基本的には、同じ種類と世代のCPUでも、性能は「デスクトップ > ノートパソコン > タブレット」だと思って下さい。
同じ世代で、同じ値段なら、大きなパソコンほど性能は高めです。
(冷却しやすいとか、高出力の電源を使えるとか、理由はいろいろありますが、ともかく本体が大きいほど機械的には余裕ができます。持ち運ぶことはできなくなりますが)
モニター一体型のパソコンは、中身はノートパソコンと同等です。
2in1(ノート+タブレット型)はタブレットと同等です。
例えば、ノートパソコンの Core i7 は、デスクトップの Core i5 ~ Core i3 ぐらいです。
中にはノートパソコンなのにデスクトップ用のCPUを搭載している特殊なゲーミングノートや、デスクトップだけどモバイル用のCPUを使っている静音パソコンも存在しますが、一般的ではないですね。
Core や Celeron は AMD という会社の CPU もあります。
AMD の製品には、以下のようなものがあります。
Ryzen 7:Core i7 のライバルである高性能型。
Ryzen 5:Core i5 のライバルで、中間性能。
Ryzen 3:Core i3 のライバル。価格の安いタイプ。
AMD e、Athlon:Celeron や Pentium クラスの低価格な CPU。
(他に高級品の Ryzen 9 や、特殊用途の Threadripper がある)
以前は AMD の製品には得手不得手があり、玄人向けと言えました。
しかし近年は品質が向上し、世界的な CPU の不足もあって、Ryzen を使用するパソコンも増えています。
安定していて安心感があるのは Intel(Core)ですが、Ryzen の方が性能に対して安い場合が多いです。
会社の違いで使い方が変わることはありませんし、性能的には初心者が気にするほどの差はありません。
ただ、Ryzen には Zen2、Zen3、Zen4 と呼ばれている設計名(アーキテクチャ)が存在し、新世代のCPUなのに、中身は旧設計の Zen2、といったケースがあります。
この場合、安いのですが性能は大したことがなく、しかし素人には判別が困難です。
こういうケースがあるため、やはり Core と比べると玄人向けであることは否めません。
AMD は Intel より性能や安定性で劣ることが多く、完全に劣勢でしたが、現在は追い上げています。
ただ、まだ初心者向けとは言えないところがあります。
CPU の用語については こちらのページ で解説しています。
より詳しい説明や、種類の一覧も掲載しています。
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メモリなど、他のパーツについては カスタマイズについて のページをご覧ください。