Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。
ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。

年明けの1月6日から9日にかけて、ラスベガスで一般向け家電の大展示イベント「CES2026」が開催されました。
毎年ここで CPU やビデオカード、関連パーツやパソコン本体の新製品発表が行われます。
ここで改めて、一般PC向けの発表をまとめておきたいと思います。
まず、Intel は予定通り「Panther Lake」こと「Core Ultra シリーズ3」を正式発表しました。
「Intel 18A」と呼ばれる新設計で作られており、新型トランジスタ RibbonFET、基板の裏から給電を行える PowerVia といった新技術が導入されています。

基本仕様は10月にすでに発表されていましたが、改めてまとめますと……
大まかな設計は Lunar Lake(Core Ultra 200V)を踏襲していますが、Pコア/Eコア/LP-Eコアを同じタイルに集めて最適化。
メモリは内蔵していませんが、メモリアクセスや電源管理はより進化しており、高い電力効率を持つようです。
一方、搭載される Pコア(Cougar Cove)と Eコア(Darkmont)は、Arrow Lake や Lunar Lake で使われていた従来のコア(Lion Cove と Skymont)の改良型で、新設計という訳ではありません。
ただ、従来型の延長であることは、信頼性の面では安心感があります。


ハイパースレッディングは導入されていないため、16コアなら16スレッド、8コアなら8スレッドですが、スレッドスケジューリングの改良により効率的に動作するとのこと。
GPU(内蔵グラフィック機能)は「Xe3」と呼ばれる新しいものになっています。
そのパワーは実機のベンチマークでビデオカードの GeForce RTX 4050 に迫るようで、事前に言われていたよりさらにパワーがあるようです。
ただし、Intel の GPU「Intel Arc」はドライバやソフト側の最適化がまだ不十分で、実力を発揮できないケースも多く、ゲームの実測では NVIDIA の GeForce や AMD の Radeon に劣る場合が多いので、そこは差し引いて考える必要があります。

NPU(AI 専用処理機能)は「NPU 5」という新型になりますが、処理能力は 50~60TOPS で、前世代の 48TOPS とあまり変わりません。
ただ、サイズを小さくしている模様。
また、GPU を AI に活用しやすくする XMX という機能が Lunar Lake に続いて備わります。
Lunar Lake に導入されていたカメラの制御機能(IPU7.5)も搭載されています。
製品は(Core 5 以外)、16コアと8コアの2種類。
16コアは Pコア4+Eコア8+LP-Eコア4 の組み合わせで、Core Ultra 9、Core Ultra 7 366H、356H といった製品があります。
8コアは 4+0+4 となっていて、Core Ultra 7 365 や 355 があります。
また、計12コアや8コアの Core Ultra 5 も発表されています。
それぞれに内蔵GPUを強化した(前述の Xe3 を搭載する)Core Ultra X9 や X7、X5 が存在。
基準の TDP はすべて 25W ですが、最大は 55W か、65~80W となる模様。
現時点では、Dell が搭載機(XPS14)を発売していますが、Core Ultra X7 だと40万円……
XPS は高級機なので、普及機はもう少し安くなると思いますが……
昨今のメモリやストレージの価格高騰を考えると、この高さも仕方ないところでしょうか。
Intel の発表会の模様(動画)は こちら をご覧ください。
なお、Intel は Core Ultra シリーズ3 ではない、Core シリーズ3 も発表しています。
Ultra がないこちらは「Wildcat Lake」の製品と見られており、Panther Lake の廉価版という位置付けになります。
Panther Lake と同じコア、設計が使われますが、Pコア2 + LP-Eコア4 の6コアとなり、GPU は前世代の Xe2 を搭載する模様。
発売日などはまだ明言されていません。
AMD も「Gorgon Point」こと Zen 5 の後期型「Ryzen AI 400 シリーズ」を発表しています。
これまでの Zen 5 と同じコア、同じ GPU で、マイナーチェンジといったところですが、内部の最適化によって性能が向上しているとのこと。

Zen5(Pコアに相当)と Zen5c(Eコアに相当)が 4+8 の Ryzen AI 9 HX の他に、4+6 の Ryzen AI 9 465、4+4 の Ryzen AI 7 450、2+4 の Ryzen AI 7 445 が用意されています。
SMT(ハイパースレッディングに相当)が適用されているのでスレッド数はコア数の2倍。
また、2+4 や 1+3 の Ryzen AI 5 も発表されています。
NPU はこちらも 50~60TOPS。
性能的には目立つ部分は乏しいのですが、これ1つで上位型から下位型までカバーできるようになっている模様。
基本的にはノートパソコン用ですが、デスクトップ向けも投入される予定で、主にミニPCに使われることになりそうです。
搭載機は現時点(2/1時点)では ASUS が発表していますが…… お値段 35万円。
このご時世なので、やっぱり高いですね……
Core Ultra シリーズ3 よりは安めのようですが……
AMD の発表会の模様(動画)は こちら をご覧ください。
ただし、AMD の発表は8割が企業向けの AI サーバーの話で、個人向けは少ないです。
なお、今回の発表とは別に、この1月にデスクトップ向けの Ryzen 7 9850X3D と、ノート向けの Ryzen 100 シリーズという CPU を発売しています。
Ryzen 7 9850X3D は人気のゲーム向け CPU「Ryzen 7 9800X3D」の上位版。
ただ、最大クロック数がちょこっと高いだけで、他は同じ。
AMD は 3~8% の性能向上とアピールしてしていますが、体感できる差はないと思われます。
巷ではオーバークロック用と言われているようですが……
Ryzen 100 シリーズは Zen3+ 世代の廉価ノート用 CPU で、何の告知もなくひっそり登場。
Ryzen 5 150 を搭載する機種がレノボから発売されており、メモリ8GB で SSD 256GB という最低限の構成ながら、約9万円という安さ。
性能はそれなりだと思いますが、このご時世にこの値段は驚きで、注目かもしれません。
ただ、Zen3+ はメモリが DDR5。 DDR4 なら、よりメモリ価格対策になったのですが……
さらに、クアルコムが Snapdragon X2 搭載機を発表しています。
上位型の Snapdragon X2 Elite に加え、中間型と言える Snapdragon X2 Plus も発表。
Intel の Lunar Lake や、AMD の Ryzen AI 300 を上回るピーク性能に加え、優れた省電力性能を持ち、内蔵 AI 性能(NPU)は第三世代とも言える 80TOPS に達しています。

最新の GPU(グラフィック機能)も搭載しており、クアルコムはゲーミング性能もアピールしていたようですが、ARM プロセッサであるため動かないソフトが多く、最新ゲームの多くは無理と考えた方が良いです。
これは DirectX12 が動かないという ARM版Windows の問題なので、Snapdragon が X2 になっても変わりません。
(ARM プロセッサと他の CPU の相違点、動くゲーム等については こちら をご覧ください)
「2026年度中に発売」とされていたため、早くも搭載機が登場したのは意外でした。
ラインナップは以下の通りです。
・X2E-96-100:Pコア12、Eコア6、最大5GHz、GPU X2-90
・X2E-88-100:Pコア12、Eコア6、最大4.7GHz、GPU X2-90
・X2E-80-100:Pコア6、Eコア6、最大4.7GHz、GPU X2-85
・X2P-64-100:Pコア6、Eコア4、最大4.04GHz、GPU X2-45
・X2P-42-100:Pコア6、Eコア0、最大4.04GHz、GPU X2-45
上の3つ(X2E)は Elite、下の2つ(X2P)は Plus。
Snapdragon は消費電力(TDP)を公表していませんが、型番が 80 なら 80W、64 なら 64W 相当であるため、そこから考えると X2E-96 や X2E-80 は他の CPU の HX や HS に相当し、X2P-64 や X2P-42 は H 相当と思われます。
省電力性能がウリの CPU ですが、まだ上位型のみで、省電力型は発表されていません。

搭載機は HP、ASUS、レノボが発表していますが、価格は(2月1日時点で)明らかになっていません。
Intel、AMD、Qualcomm の各社の CPU 性能比較ですが、Youtube で公開されている こちら の検証動画によると……
Core Ultra シリーズ3 はピーク性能と省電力性能の双方で優れているようです。
Ryzen AI 400 シリーズはマイナーチェンジであるため、比較すると性能でも省電力でも厳しいようで、どれだけ安くできるかといったところ。
Snapdragon X2 はかなり基本性能が高く、GPUも(動かないソフトが多いけど)高性能、省電力性能も良いようで、ARM プロセッサの欠点を考慮しなければ現時点で最適なようです。
他に、CPU ではありませんが……
NVIDIA は CES2026 にて、次世代 GPU「Rubin」の生産を開始したと発表しました。
と言っても AI サーバー向けの製品の話で、そちらの市販開始が2026年後半なので、個人向けの Rubin 搭載ビデオカードは来年以降になるものと思われます。
Rubin の演算性能(FLOPS)は現行の Blackwell の5倍ながら、トランジスタの数は1.6倍に抑えているとのこと。(あくまで AI 向けの製品の話)
つまり、発熱、省電力性能、サイズなどがより効率化されています。
Grace の後継となる AI サーバー向けの CPU「Vera」も発表しています。
NVIDIA の発表はすべてが AI のもので、個人向けの話題は一切なかったのですが……
1月22日に記者むけの説明会を行ったようで、GeForce 4000 以上で使える DLSS 4.5、GeForce RTX 上での AI 動画生成の改善、3D モデル生成の改良などがアピールされた模様。
主に AI を活用するクリエイター向けの発表だったようです。
他に、ストレージに注目の発表がありました。
アメリカのストレージ(HDD/SSD)メーカー Western Digital(ウエスタンデジタル)が、2016年に買収した SanDisk(サンディスク)と分離することとなりました。
今後、ウエスタンデジタルは HDD 専門、サンディスクは SSD 専門となります。
親会社側のウエスタンデジタルがやや時代遅れになりつつある HDD に戻るという選択をしたのは正直意外でしたが……
WD の企業向け HDD は AI 特需によって2年待ちとも言われていて、需要が堅調なことが背景にあると思われます。
こちら のインタビュー記事では、安定株の HDD、成長株の SSD で分けて欲しいという株主からの要望があったことと、製造がまったく違うので合併したところでメリットがなかったというのが理由だと述べられています。
これにより WD Black や WD Blue といった SSD ブランドは廃止に(HDDでは残る)。
代わりに SANDISK Optimus(サンディスク オプティマス)という新ブランドの SSD が発売される模様です。
ただ、製品自体は当面、WD Black や WD Blue と同じものとなりそうです。
サンディスクは日本のキオクシアと技術協力しているため、SSD(NANDフラッシュメモリ)は今後、サムスン&SKハイニックスの韓国勢と、キオクシア&サンディスクの日米勢で二分されることになります。
ただ、サムスンとSKハイニックスはメモリの生産で忙しく、ストレージは減産するという報道があり、さらにキオクシアは2026年度生産分の NAND は完売したとコメントしていて、更なる SSD の値上がりは避けられないものと思われます……
PC の価格高騰は留まるところを知らず、一般ユーザーには厳しい状況が続いています。
そんな状況のためか、AMD は前世代(DDR4)のメモリを使える Zen3 の Ryzen(Ryzen 5000 シリーズ)の供給量を増やす考えがあるようで、さらに NVIDIA も前世代のビデオメモリ(GDDR6)を使う2世代前の GeForce RTX 3060 を復活生産することを考慮しているという噂があります。
これらは公式の情報ではなく、最近は否定される噂も多いので鵜呑みにはできませんが……
メモリ不足のあまり、まさかの旧世代への回帰まで始まりつつあります……
CPU の基本説明は こちら、用語については こちら で解説しています。
GPU については こちら をご覧ください。
CPUの性能一覧グラフは こちら、ビデオカードの性能一覧グラフは こちら をご覧ください。
(以下は過去ログです)
※2026年1月1日版
Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。
ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。

2025年末に登場すると思われていた Intel の新型CPU「Panther Lake」を搭載するノートPCですが、結局出て来ませんでした。
AI ブームに端を発するメモリとストレージの価格高騰はかつてないレベルとなり、Dell がパソコン価格の改定を発表、レノボもそれに続き、ASUS も価格の調整を示唆しています。
これでは新CPU搭載モデルなど、出せる状況ではないようです。
レノボはメモリの在庫を2026年分まで確保していると発表していたのですが、先々月の話。
その時点では流石にここまでの事態になるとは思っていなかったようです。
メモリ(VRAM、ビデオメモリ)の不足と AI 用ビデオカードへの注力により、一般向けビデオカードの価格高騰と品薄も続いており、ゲーミングPCの値段は特に急上昇中。
国内メーカーは値上がり前の駆け込み需要が殺到、マウスコンピューターが年末年始のパソコン販売を一部停止、さらに1月からの価格変更を発表しています。
【お知らせ】
— マウスコンピューター (@mouse_computer) December 16, 2025
想定を大きく上回る受注が増えたことにより
工場のひっ迫・パーツ不足が発生し、一部製品に販売停止・出荷納期遅延が発生する見込みです。
価格変更は1月以降に順次行う予定です。
お客様にはご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。
何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。
ドスパラやパソコン工房などはPCパーツショップでもあるためか、販売停止にはなっていないのですが、価格はかなりアップ。
例えば、ドスパラの Core Ultra 7 265F + DDR5メモリ 32GB + GeForce RTX 5060Ti のミドルクラスのゲーミングモデルで、8月時点では27万5千円でしたが、現在は32万5千円。
しかもストレージは NVMe SSD 1TB だったのが 500 GB に減っています。
Ryzen 7 9800X3D + DDR5メモリ 32GB + GeForce RTX 5070 のハイスペックモデルだと、8月に32万円でしたが、今や42万5千円。10万円アップです……
カスタマイズの価格も当然上がっており、複数搭載することもある HDD や SSD の値上げがメモリ以上にお財布に厳しいです。
サイコムなどの中堅どころの BTO メーカーになると、パーツが品切れでほとんど選べないという状況になっていたりします。
国内電機メーカーは現時点では値上げを行っていませんが、どこも検討中ではあるようです。
このような状況のため、DDR5 メモリほど価格が高騰していない、一世代前の DDR4 メモリを使うパソコンの人気が高まっているようで、第13~14世代 Core や、Zen3~Zen4 の Ryzen 搭載機がコスパ型機として注目されています。
12月中のPC市場の経緯ですが、まず12月の初頭に発表された、Micron の一般向けメモリ/ストレージからの撤退が大きいです。
米 Micron は韓国のサムスンとSKハイニックスを含む、世界三大メモリチップメーカーの一角ですが、そこが一般向けのメモリをもう販売しないと発表したため、業界に衝撃が走りました。
皆さん、こんにちは。今日は大変残念なお知らせです。MicronはCrucialのコンシューマ事業から撤退することを決定しました。これにより、世界中の小売店やオンラインショップでのCrucial製品の販売は、徐々に終了していきます。… pic.twitter.com/u33yYlMpkH
— Crucial Japan (@CrucialJapan) December 4, 2025
理由は AI サーバー向けの HBM メモリの受注が殺到しているためで、サーバー用メモリの方が単価が高いのもあると思われます。
決算発表によると、2026年末まで受注はすでに一杯、しかもその需要も半分から 2/3 までしか供給できないとのこと。
一般PC向けはより品薄になりそうで、先月「メモリ価格が製品によっては2倍になりました!」とお伝えしましたが、12月には5倍を越えました……
Micron は SSD の製造メーカーでもありますが、こちらも一般向けからは撤退することになっています。
これで SSD(NANDフラッシュメモリ)も、サムスン、SKハイニックス、キオクシア、Western Digital を含む5強の一角が去ります。
ストレージ価格も高騰を続けていて、NVMe SSD の値段は2倍以上になっており、品切れも続発しています。
こんな状況のためか、サムスンが NVMe でない SSD から撤退する、サムスンのスマホ部門がサムスンのメモリ部門からメモリの供給を断られた、といった話が次々と流れました。
どちらもサムスンの広報が公式に否定しており、前者は Micron の件を元にしたデマ、後者は Apple へのメモリ供給契約から出てきた憶測と思われます。
これらの話からは際限なく上がるパーツ価格に対する、市場の恐怖感を感じ取れます。
ただ、キオクシアが新技術(フラッシュメモリの積層技術)を用いた一般向けを含む NVMe SSD を発売、サーバー向けメモリの新技術も開発するなど、新しい供給元の話が出てきています。
また、あまりのメモリの高騰により、一般向けの DDR5 メモリでもサーバー向け HBM メモリに迫るほどの利益を出せるようになっているようで、AI 向けに全力を傾けていたサムスンとSKハイニックスが、一般向けメモリに生産ラインを戻し始めたという話もあるようです。
サムスンはメモリチップの価格を2倍に引き上げたとのことで、価格高騰は免れませんが、AI 関連以外でも高い利益を得られるようにしようとしている模様です。
2026年はパソコン市場にとって大変な年となりそうですが、対応はされていくと思うので、徐々に落ち着いてくれれば…… と願う次第です。
CPUの開発状況についてですが、1月6日~9日にラスベガスで開催される一般消費者向け家電の大規模展示イベント「CES2026」で新たな発表が行われると思われます。
Intel の Panter Lake(ノート用 Core Ultra 300 シリーズ)と Arrow Lake Refresh(デスクトップ用 Core Ultra 200 Plus)、AMD の Gorgon Point(ノート用 Ryzen AI 400 シリーズ)の詳細はそこで明らかになるでしょう。
こんなご時世なので、新CPUが市場に出回るのは遅れるかもしれませんが……
※2025年12月1日版
Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。
ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。

今回はPCパーツの供給についての話から。
留まることを知らない AI ブームによって大規模な AI データセンターが各地に建設されており、それに伴ってメモリやストレージの品薄が起こっています。
そろそろ AI ブームも落ち着くのでは? とも言われていたのですが、NVIDIA の決算は絶好調、Google が Gemini 3 という新型 AI を公開したこともあって、下火になる気配はありません。
しかしその影響でメモリが不足しており、価格が高騰。
これまで一般パーツへの影響は少なかったのですが、10~11月にかけてこれまでにないほど急騰しており、製品によっては2倍ほどの値段になっています。
メモリメーカーのマイクロンは AI 向けメモリ(HBM)の生産は2026年分まで予約でいっぱいだと述べており、一般向けメモリの生産ラインが圧迫されることになりそうです。
SKハイニックスやサムスンも在庫がほとんどなくなっており、他の製品の生産ラインをメモリに振り分けるなどして対応していますが、それはすべて AI 向けになるようで、一般向けの供給はむしろ抑制されると見られています。
加えて HDD や SSD の価格も急上昇中。
SSD はメモリと同じく10月から急騰しており、しかも2026年には需要が供給を上回ると見られていて、深刻な品薄が予想されています。
サムスンやキオクシアの企業向け SSD は納期が1年先とも言われており、台湾の SSD メーカー Phison の CEO は「SSD の不足は10年続く」とコメントしています。
製品の枯渇を防ぐため、SSD メーカー各社が供給調整をするという話も出ています。
もちろん、各メーカーとも増産に動いてはいますが、製造するための装置が1年や2年待ちという状態だったりするため、目処が立たない模様。
HDD はもっと深刻で、米ウエスタンデジタルの企業向けの HDD は2年待ちとも言われており、台湾の ADATA の CEO は「時間とともに状況は悪化するだけだ」とコメント。
そして HDD はもう増産の予定がなく、AI 向けの生産が優先されているため、一般向けの不足は SSD より早いかもしれません。
これらはもちろん、パソコンの価格の高騰や納期の遅れにつながります。
それでなくても高くなっているのに、ますます値上がりしそうで、一般ユーザーには厳しい状況になりそうです……
レノボは「2026年末までのメモリの在庫を確保している」と公表しており、対応はできているようですが、ASUS は2025年末までしかメモリの在庫がないようで、メモリの搭載量を減らすことを考えている模様。
DELL は「すべてのPCパーツの不足が予測される」と述べており、DELL や HP の株価は下落傾向にあります。
このような状況のため、NVIDIA や AMD が下位のビデオカードの販売を停止、もしくは供給量を下げるのではないかという報道も出てきています。
確かに利益率の低い廉価ビデオカードに、いまや貴重になりつつある VRAM(ビデオメモリ)を使うのは無駄に思えるのは否めません。
しかしそうなると、ゲーミングPCの価格は底上げされることになってしまいます。
一時期、仮想通貨のマイニングでビデオカードが不足しましたが……
来年はもっと深刻かつ広範囲に影響が出そうで、それはルーターやプリンターなどの周辺機器、さらにスマホやタブレットなどのコストも上昇することを意味します……
なお、先ほど述べた Google の新型高性能 AI「Gemini 3」ですが、TPU という新しい種類のパーツを使っていることで話題になっています。
これは AI のために設計・開発された、AI 専用の処理装置です。
元々は Google 検索の補助用だったのですが、最新のものは AI 開発に最適化されました。

※第7世代 TPU「IronWood」。2025年4月に発表され、11月7日より提供開始。
今の AI 処理の多くは NVIDIA のデータセンター向け GPU が行っていますが、GPU は元々は、グラフィック処理のために作られたもの。
一方、TPU は最初から AI 特化で設計されています。しかも GPU より省電力。
そのぶん出来ることは狭く、必要に応じて GPU も併用しなければならないのですが、Google は独自に開発した高性能 TPU と Gemini 3 によって、OpenAI の ChatGPT を越えるとも言われる AI を完成させました。
11月末、作業によっては Gemini 3 以上と言われる Claude Opus 4.5 という AI を Anthropic(アンソロピック)という会社が登場させたのですが、これも Google の TPU を借りて動いています。
こうなるとピンチなのは OpenAI で、そこに巨額投資した NVIDIA やソフトバンクグループ、OpenAI とタッグを組んだ AMD、そこにクラウドサービスを提供する Oracle の今後が懸念されています。
TPU はまだ Google 専用ですが、Meta(Facebook)が興味を示しており、もし他社にも提供されるようなことになると、NVIDIA の一強体制が崩れるのでは? とも言われています。
ただ、最高の対話向け AI と言われる X の Grok は NVIDIA GPU で動いていて、Google TPU が全面的に強い訳ではない模様。
なお、Google TPU の設計・開発にはブロードコムが協力しています。
Amazon も独自の AI チップを開発していますが、こちらはまだ NVIDIA の GPU(H100)に劣るようです。
ちなみに、OpenAI と Arm、ブロードコムが提携し「Arm 陣営の AI 半導体を作る」と発表していましたが、その Arm が NVIDIA とも新たに提携(NVLink への参加)を表明していて、また話題なっています。
裏切りか? と言われていたりもするようですが、NVIDIA が作っている AI サーバー向け CPU の Grace は ARMプロセッサ ですし、元々関係はありました。
さて、AI が周囲を巻き込んで大きなうねりを見せている一方で、Intel や AMD の CPU 開発には目立った動きはありません。
Intel は10月に Panther Lake の詳細を発表し、AMD は AI に関する発表を立て続けに行っていたので、11月はこれらの準備中と言ったところ。
ただ、どちらも新CPUの発売が迫っているので、非公式な噂は飛び交っています。
Intel の新しいデスクトップ向け CPU「Arrow Lake Refresh」は、まずK付きの3モデルが登場するものと見られています。
Core Ultra 9 290K Plus、Core Ultra 7 270K Plus、Core Ultra 5 250K Plus になるという噂が伝わっており、Arrow Lake のK付きと比較して Core Ultra 9 はクロック数の上昇のみに留まるようですが、Core Ultra 7 と Core Ultra 5 はEコアが増えるものと見られています。
正確なところは来年1月6日~9日に開催されるイベント「CES2026」で発表されるでしょう。
発売はその後、1月末になるものと思われます。
Panther Lake(Core Ultra 300シリーズ)については先月の記事をご覧ください。
こちらはノートパソコン向けです。
AMD は来年初頭に登場すると見られる Gorgon Point(Ryzen AI 400シリーズ)のスペックが伝わっています。
こちらは Ryzen AI 9 465 や Ryzen AI 7 450 といった名前になるようで、レノボの試作機のベンチマーク結果がネット上のデータベースに残されていたため、確実と見られています。
現行の Ryzen AI 9 365 と Ryzen AI 7 350 の後継のようで、コア数やスレッド数は変わらず、内蔵 GPU も同じ。
表面上のスペックはブースト時のクロック上限が違うのみですが、内部の最適化などが行われているものと思われます。
こちらも詳しくは CES2026 で発表されるでしょう。
なお、Ryzen AI の上位型である HX(Strix Halo)や Max(Fire Range)は現行のままです。

※Seleno 社の AMD CPU 搭載ノートPCの更新予定。2026年からは Gorgon Point が中核になっている。
また、11月11日に開催された投資家向けの財務説明会(AMD Financial Analyst Day)において、2026年に 2nm プロセスで作られる Zen6 の EPYC(サーバー用CPU)が登場すること、そして次なる Zen7 の開発が行われていることが示されました。

後ろのスライドに小さく「Zen 7」と書かれていただけで、特に言及はなかったのですが……
「新しいマトリクスエンジンを搭載し、AI のデータフォーマットに最適化」と書かれているのがわかります。
さらに Intel と協力し、x86 CPU を盛り上げる(Arm に対抗する)とコメントしていました。
なお、Google の Gemini 3 が公開されたのは、この1週間後です。
12月には、いよいよ Panther Lake 搭載ノートPCが登場するものと思われます。
メモリやストレージが心配ですが、まだしばらくは市場に在庫があるはずなので、春ぐらいまでは深刻なことにはならない…… と、思いたいところです。
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CPU の基本説明は こちら、用語については こちら で解説しています。
CPU の性能一覧グラフは こちら をご覧ください。
メモリなど、他のパーツについては カスタマイズについて のページで説明しています。
