Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。
ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。

10月9日、Intel は次の新CPU「Panther Lake」の詳細を正式発表しました。
年末に発売される「Core Ultra シリーズ3」となるこの CPU は Intel 18A と呼ばれる設計で作られ、新型のトランジスタ RibbonFET、基板の裏から給電を行える PowerVia といった新技術が導入されます。
これらにより必要な配線の量が減り、その分を他に振り分けられるとしています。

ただ、Intel は「Arrow Lake の進化型」と述べており、新しい Pコア(Cougar Cove)と Eコア(Darkmont)は、Arrow Lake や Lunar Lake で使われていた Pコア(Lion Cove)と Eコア(Skymont)の改良型であるようです。
構造は Lunar Lake に近いようですが、標準的な CPU と同じくメモリの内蔵はしていません。
完全な新型だとトラブルが付き物なので、従来型の延長線上にあることは信頼性の面では安心感があります。


コア構成は Pコア4、Eコア8、LP-Eコア4 の計16コアと、Pコア4、LP-Eコア4 の計8コアの2種類がある模様。
Intel は Arrow Lake(ノート用)や Lunar Lake と比べ、シングルコア性能は10%向上、低電力時だと40%向上。
マルチコア性能は Lunar Lake 比で50%向上(ただし Lunar Lake はマルチコアは弱い)、低電力時も Arrow Lake 比で30%向上しているとアピールしています。
なお、Lunar Lake にはEコアがなく、Arrow Lake は LP-E コアだけ別のタイルにあったのですが、今回はこれをすべて同じタイルに搭載しており、設計が効率化されています。

もちろん処理の最適化はさらに進んでおり、メモリ周りや電力管理の改良も行われています。
ハイパースレッディングは導入されていないため16コアなら16スレッド、8コアなら8スレッドですが、スレッドスケジューリングの改良により効率的に動作するとのこと。

※Raptor Lake はPコアで処理する分の余りをEコアに送っていたが、Meteor Lake や Lunar Lake はLP-Eコアで処理して手に余る分を他のコアに送っていた。Panther Lake はLP-Eコア→Eコア→Pコアと負荷に応じて順次送っていく。
GPU(内蔵グラフィック機能)は「Xe3」と呼ばれる新しいものになっています。
そのパワーは巷ではビデオカードの GeForce RTX 3050 を超えると言われており、内蔵の GPU としては現行トップの性能を持つ模様。
とは言え、Intel Arc はドライバやソフト側の最適化の問題で実力を発揮できないことも多いのですが……(最近はだいぶ良くなってますが)
Panther Lake には Xe3 が4コアのものと12コアのものがあるようで、4コア版は Intel 3 で、12コア版は TSMC N3E(TSMC の 3nm の第2世代)で作られるとのこと。
Lunar Lake の GPU より性能が50%アップし、電力効率は Arrow Lake H よりも40%向上していると Intel は述べています。

なお、Intel Arc の初期版は Alchemist(錬金術師)、第2世代は Battlemage(魔術師)、第3世代は Celestial(天界人)という愛称になると言われていましたが、Intel スタッフがインタビューで「この Xe3 は Celestial ではなく Xe2 Prime か Xe2 Plus Plus と言えるものだ」とコメント。
新型と言うより Xe2 の強化版にあたるようです。
NPU(AI 専用処理機能)も「NPU 5」という新型になりますが、処理能力は 50TOPS で、前世代の 48TOPS とほとんど変わりません。
ただ、サイズを小さくしている模様。
GPU を AI に活用しやすくする XMX という機能が Lunar Lake に続いて適用されており、CPU で10TOPS、NPU で50TOPS、GPU で120TOPS、合わせて180TOPSの AI 能力になるよ、と Intel はアピールしています。

なお、Lunar Lake に導入されていたカメラの制御機能 IPS が IPU7.5 という新バージョンになって備わる模様です。
製品名はまだ公式に発表されていませんが、上位型は「Core Ultra X9 / X7 / X5」という名前になるようで、例として Core Ultra X7 358H といった型番になりそうです。
より詳細な情報は発売日が近くなれば、改めて公表されると思われます。
Intel のニュースリリースは こちら、発表会の動画は こちら や こちら をご覧ください。
なお、先月は Intel の決算発表もありました。
ずっと悪い決算が続いていて評判ボロボロだった Intel ですが、今回は好決算。
久々に業績が好転しています。
ただ、ここに来て第14世代 Core の人気が急上昇、個人向けはもちろん同世代のデータセンター向け CPU も供給が追いついておらず、今は市場に在庫があるので大きな影響はありませんが、在庫が尽きたら値上がりするかもしれません。
人気の理由は、個人向けに関しては、処理能力が必要十分で Core Ultra より割安、NPU がなくても問題ないことも周知されたためのようです。
デスクトップPCに関しては、各種ベンチマークで最新ゲームにも安定して強いのがわかったことや、ライバルである Arrow Lake の Core Ultra、X3D でない Zen5(Ryzen 9000)の評判が高くないことも影響していると思われます。
この傾向は Panter Lake や Arrow Lake Refresh が普及段階になるまで続きそうです。
一方 AMD ですが、個人向けの製品に関する話題は乏しいものの、AI に関する大きな発表を立て続けに行っており、市場の大きな話題となっています。
先々月、NVIDIA と Intel の協業が発表されて話題となりましたが、先月は AMD のターン。
まず10月6日、ChatGPT で知られる AI 開発企業 OpenAI が AMD に数十億ドル、日本円で累計200兆円にも及ぶ出資を行う計画があることを発表。
AMD のサーバー用 CPU&GPU を数世代にわたって導入し、原発6基分の消費電力になるという超巨大データセンターを構築するとしています。
さらに10月14日、AMD はソフトウェアや AI クラウドサービスを提供する Oracle とも提携。
AMD の次期データセンター向けGPU「MI450」を2026年に大規模採用し、2027年以降も拡大していくとしています。

OpenAI は Arm の AI 半導体をブロードコムの協力で生産するとも発表しており、これらの企業の動きは NVIDIA の寡占状態に対抗するもの、とも言われています。
ただ、先々月に NVIDIA が OpenAI への大規模出資を発表しており、それが AMD やブロードコム、さらに Microsoft に流れていて、半導体企業の間で AI で稼いだお金がグルグル回っているだけ、という見方もあります。
Oracle は NVIDIA との協力も発表していて、ここに来て AMD CPU の生産を Intel が請け負うという話も出てきており、単純な NVIDIA VS. 反NVIDIA という話ではなさそう。
なお、日本のソフトバンクグループも Arm を傘下とし、OpenAI や Intel にも出資していて、これらの企業に関わっています。
Snapdragon の Qualcomm も AI 半導体の提供を始めると発表したのですが…… 今さら入っていけるのか疑問。
中東の方に売り込みをかけているようですが……
他に、米エネルギー省が NVIDIA と Oracle に軍事用を含む7台、AMD と HP には研究用に2台のスーパーコンピューターの開発を依頼したという話や、NVIDIA が韓国の政府と企業に GPU の大規模供給を行うといった、国家プロジェクトの話も出てきています。
いまやコンピューターと言えば AI の話ばかり目立つ状況ですが……
年末前はどのみちパソコン関連の動きが乏しい時期。
年末年始が近付くにつれて、個人向けの製品の続報や発売も出てくるものと思います。
現在おすすめのパソコンは、ノートPCは こちら、ゲーミングPCは こちら をご覧ください。
CPU の基本説明は こちら、用語については こちら で解説しています。
CPUの性能一覧グラフは こちら、ビデオカードの性能一覧グラフは こちら です。
(以下は過去ログです)
※2025年10月1日版
Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。
ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。

いよいよ年末が近くなり、登場が近いと言われている Intel の Panther Lake や Allow Lake Refresh への期待が高まっています。
まだ詳細は分かりませんが、AMD の Gorgon Point こと Zen5 の後期型も近いはずです。
今はこれらの登場前であるため、パソコン市場に大きな動きはありませんが、ノートパソコンに関しては GeForce RTX 5050 や 5060 を搭載する、割安なゲーミングノートが出始めました。
10月初めの時点では ASUS、Dell、Lenovo、パソコン工房などが新型機を発売しており、パソコン工房の場合で Ryzen AI 7 と GeForce RTX 5050 の組み合わせだと約19万円。
第14世代 Core i7 と GeForce RTX 5050 の組み合わせは約18万円。
GeForce RTX 5060 を搭載する場合は+1.5~2万円ほどとなり、他のメーカーも大体同じぐらいです。
GeForce RTX 4060 の頃と比べると2~3万円ほど高いですが、パーツ価格の高騰などを考えると仕方のないところでしょう。
ともあれ、いよいよノートPCも本格的に GeForce 5000 シリーズの時代に入りました。
なお、一部で「Core 7 240H」や「Core 5 220H」というCPUを搭載する機種が現れています。
これは安価な性能重視のCPUですが、Pコアの設計(アーキテクチャ)が古く、第12世代 Core や第13世代 Core i5 で使われていたものを使用しています。
シングルコア性能重視で、電力効率は低いですが、安価ゲーミングノートに向いた特徴を持ち、今後のコスパ重視のノートPCで見かけることになるかもしれません。
さて、9月はコンピューター業界に大きな衝撃の走った発表がありました。
NVIDIA と Intel の協業です。
9月18日、NVIDIA が Intel に50億ドル(約7400億円)を出資し、AI データセンターや一般のパソコン向けの半導体を共同開発すると発表。
その見返りとして、NVIDIA は Intel の5%ほどの株式を取得しています。
そして今後、以下の2点の開発を行うとのこと。
- Intel が NVIDIA RTX GPU チップレットを統合した x86 SoC を製造/提供する
(訳:Intel が NVIDIA の GPU を内蔵する CPU を作る) - NVIDIA NVLink による、NVIDIA と Intel の最先端アーキテクチャのシームレスな接続に注力し、Intel が NVIDIA 専用の x86 CPU を製造する
(訳:NVLink という規格で NVIDIA の GPU に繋げられる Intel のサーバー用 CPU を作る)
このうち一般ユーザーにとって注目なのは、NVIDIA の GPU(グラフィック機能)が Intel の CPU(SoC)に備わるというもの。
内蔵GPUを持つCPUは基本的にノートパソコン向けですが、CPU単体での(ビデオカードなしでの)大幅なゲーミング/クリエイター性能の向上を期待できます。
今の Intel のCPUには Intel Arc というGPUが入っていますが、後発であるためドライバやソフト側の対応が発展途上で、なかなか実力を発揮できていません。
一方、GeForce を始めとする NVIDIA のGPUなら業界標準であり、その心配はありません。
NVIDIA のGPUを内蔵する市販向けのCPUは存在しないので、その点でも興味が湧きます。
発売時期は「1年後ぐらいかな……」という曖昧なコメントがあったのみで、まだ未定。
今後 Intel Arc はどうなるのか? ロードマップに変更はあるのか? 既存の計画はどうなるのか? など疑問点は多いですが、続報に注目です。
なお、Intel は「Intel Arc の開発は今後も続ける」とコメントしています。
ただ、今の NVIDIA は AI メインの会社なので、NVIDIA 的にはそちらより、AI データセンター向けの発表である「Intel CPU が『NVLink』で NVIDIA の GPU に繋がる」という方が本丸でしょう。
NVLink というのは NVIDIA が開発した、CPUとGPUを繋げる規格(インターフェイス)です。
現状のAIサーバーの多くは一般PCでもおなじみの PCI Express という規格で、AMDのサーバー用CPUである EPYC と、NVIDIA のデータセンター向けGPU(H100など)を繋げているものが多いのですが、これだとGPUは8つまでしか繋げられません。
NVLink を使うとGPUを最大72、CPUも最大32まで繋げられるスーパーサーバーを作れるようで、NVIDIA はこれを普及させたいようですが、今のところ NVLink に対応しているCPUは NVIDIA の Grace という Arm プロセッサしかなく、そのため Arm 用のソフトウェアしか動かせない難点があります。
しかし今回の Intel との協業で、Intel が NVLink 対応の x86系(Windows PC でも使われている従来型)のCPUを開発・製造するとのことで、これを NVLink 普及拡大のきっかけにしたいというのが NVIDIA の思惑のようです。
実現すれば生成AIの能力はますます向上し、NVIDIA はさらにAI市場を独占、Intel も全然入り込めないAI関連に入り込むことができ…… そして AMD は締め出されかねません。
今の AMD は EPYC が最大の稼ぎ頭なので、このまま手をこまねいているとは考えられず、どんな対抗策を打ち出してくるのか、こちらも注目です。
ちなみに、以前 AMD と Intel も協業したことがあるのですが、ノート用のCPUをひとつ作っただけですぐダメになりました。
やはりライバル会社が急に協力しようとしても、方針の違いもあってうまくいかないようです。
今回の NVIDIA と Intel の協業もうまく行くとは限りませんが、ただ今回の協業はトランプ大統領の影響も大きいと思われ、ちょうど NVIDIA は中国政府から締め出しを受けたところであり、中国の動向がきな臭くなっていて台湾の TSMC だけに生産を頼っている現状も危険なので、必要に迫られた提携でもありそうです。
ただ、NVIDIA の CEO は今回の提携に関して、アメリカ政府の関与は否定しています。
NVIDIA はさらに AI 開発会社の OpenAI に総額1000億ドルという超巨額投資も発表。
一気にドンと1000億ドル(約15兆円)を出すわけではありませんが、ChatGPT などを開発する OpenAI と提携することで、AIを動かすハードを作る会社から、AI自体を作る会社にステップアップしたいという狙いがあるようです。
もう世界征服でもしそうな勢いですが、それだけ儲かっていて、かつ最先端にいるということでしょうか。
Intel もこの協業による大きな利益を想定しており、それは他のCPUの開発にも好影響を与えるものと思われます。
歴史的とも言われるこの提携が来年以降の計画にどのような影響をもたらすのか、注目です。
※2025年9月1日版
Intel(インテル)や AMD などが発表している、今後の CPU の発売予定です。
つまり、パソコンの「世代」が変わる予定表でもあります。
ただし、あくまで予定であって、実際にこの通りに進むとは限りません。

2025年8月のCPU/半導体メーカーは、再びトランプ関税に振り回されることになりました。
先月末、トランプ関税は大まかに決着したと見られていたのですが、8月7日に「半導体は別枠で関税100%を課す」とトランプ大統領が発言。
もちろんそんなことになったら業界激震です。
加えて、就任したばかりの Intel の CEO リップ・ブータン氏の辞任を要求。
理由ははっきりしておらず、アメリカ人じゃないからだとか、過去に中国との関係が深かったからだ、Intel 14A の中止を示唆したからだ、など色々と憶測が飛び交いました。
さらに8月10日、AMD と NVIDIA が中国での売上の15%を米政府に支払う協定を締結。
両社にとって中国の売上は大きく、2024年度は AMD が24%、NVIDIA が13%を占めていたようで、減収は必至。 しかもトランプ大統領は「20%は欲しい」と発言しています。
ただ、15%の支払いで中国への輸出のお墨付きを貰えたとも言え、NVIDIA はさっそく中国向け製品の準備を進めています。
しかし「政府が企業から上納金を取るようなまねをして良いのか?」「中国への半導体輸出規制は戦略的なものだったのに金で許すのか」みたいな批判もあります。
加えて中国は NVIDIA の半導体の使用を避けるよう企業に要請しており、先行きは不透明。
ちなみに NVIDIA が中国に輸出している H20、AMD が中国に輸出している MI308、共に中国向けに性能を下げた製品(AIアクセラレーター)です。
ネガティブなニュースが続きましたが、8月11日、トランプ大統領と Intel のリップ・ブータン氏が会談。
これでトランプ大統領は態度を一変し、Intel への支援を発表、米政府が Intel の筆頭株主になり、さらにオハイオ州の新工場建設も援助するとコメント。
22日には89億ドルの出資を約束し、そして27日、早くも Intel は57億ドルを受け取りました。
オハイオ州の新工場は今年3月に稼働を2030年以降に延期すると発表したのですが、状況が変わるかもしれません。
新世代CPUである Intel 14A の開発も進むものと思われます。
ただ、「私企業にそんなに肩入れしていいのか?」「政府が筆頭株主なんて自由経済に反するのでは?」といった批判はやはりあります。
ちなみに日本のソフトバンクグループも Intel に20億ドルの出資を発表しています。
8月15日、トランプ大統領は「半導体の関税は将来200%、300%にも」ともコメント。
今後もしばらく落ち着かないかもしれません。
とは言え「トランプは TACO なので」という楽観的な雰囲気もあって、以前ほど騒動にはならなくなっていますが……
なお、8月末には NVIDIA の決算もありました。
相変わらずの好決算で、市場が過剰な期待をしていたため株価は少し下げていますが、引き続き AI 産業が伸び続けていることを示唆しています。
私的には、「ゲーム用ビデオカードの会社の決算が世界経済を揺るがすようになるとはなぁ」と思わずにはいられません。
今後のCPUの開発や予定についてですが…… Intel や AMD の公式発表は特にありません。
Hot Chips 2025 という技術発表会があったのですが、データセンターやAI活用例などの講義が中心で、個人向け製品に関する発表はありませんでした。
パソコン市場の動向も、特に新パーツの発売がなかったので目立った変化は見られません。
ただ、スペインの Seleno という会社の製品資料に、Intel と AMD の最新CPUロードマップが掲載されていると、各PC情報サイトやSNSを賑わせています。
これは Intel や AMD の発表ではなく、また Seleno は企業向け(OEM)のノートPCキットの開発会社なので、ノート用CPUについて述べられているものであることに注意してください。
Intel のロードマップは以下のようになっています。(クリックで拡大)
Intel 18A の Panther Lake は従来の発表通り2025年末の発売予定。
全体的に既存の発表と大差ありませんが、2026年に「Wildcat Lake」なるCPUが見られます。
これは過去にも噂で少しだけ名前が出ていたのですが、続報がないので進んでいないのだと思われていたもので、久々に出てきて驚かれています。
以前は軽量ノートPC向けの省電力CPUになると言われていましたが、消費電力28Wと15Wなので、実際にその通りになりそうです。
Lunar Lake の後継の位置ではなく、第14世代 Core の後にありますが、AI のマークがあるので NPU は備わるようで、どんなCPUになるのか楽しみにしたいところ。
なお、一番下にある Twin Lake-N はミニPC(手のひらサイズの超小型デスクトップ)用の製品で、ミニPC用 Alder Lake(第12世代 Core)の改修型です。
Arrow Lake Refresh の名前がありませんが、これはデスクトップ用になると言われています。
ノートPCキットのスケジュールにないのは、それを裏付けていると言えます。
AMD のロードマップは以下のようになっています。(クリックで拡大)
2026年には登場するのでは? と言われていた Zen6 ですが、Seleno 社のロードマップでは、ノートPC用は2027年からの導入となっています。
その代わり、2026年に「GORGON POINT」なる Zen5 の後期型が出る模様。
メデューサの前がゴルゴンという石化モンスターな命名。 コアって石とも言いますが……
製造プロセスは現行の Zen5 と同じ 4nm になっていて、3nm 版 Zen5 の噂もありましたが、どうやら実現はしなさそう。
また、6月の AMD のイベントで「2026年に登場する Zen6 のサーバー向けCPUは TSMC 2nm で製造される」とアピールされていましたが、Medusa Point が 3nm と記載されているので、個人向け主力モデルの Zen6 は 3nm となりそうです。
資料にある現行CPUのうち、Fire Range は Ryzen 9 9955HX3D などのNPU非搭載のノートPC用ハイエンドCPUです。
Strix Halo は Ryzen AI Max+ で、これは2027年以降もそのままの模様。
Strix Point は Ryzen AI 9、Krackan Point は Ryzen AI 7 と 5 のこと。
Hawk Point は Ryzen 200 シリーズと 8000 シリーズであり、Zen4 の後期型です。
そしてこれらは2026年の Gorgon Point で Zen5 後期型に更新される予定となっています。
下位モデルに使われている Rembrandt-R は Zen3+ で、2025年末から Zen4 に変わっていますが、これはあくまで Seleno 社の製品計画の話でしょう。
その先、2027年の後半に Medusa BB という名前があるのは注目です。
エントリーモデルの Picasso は Zen+、Mendocino は Zen2 ですが、これも Seleno 社の低価格製品の話であり、すでに旧式化しているので日本の個人向け製品で見ることはほぼないと思われます。
ただ、Zen2 は低価格デスクトップでは Ryzen 5 4500 がよく使われています。
というわけで、注目は Panther Lake に加えて、Wildcat Lake と Gorgon Point。
今後の続報に期待しましょう。
もっと古い記事は 過去ログ のページに移しています。
CPU の基本説明は こちら、用語については こちら で解説しています。
CPU の性能一覧グラフは こちら をご覧ください。
メモリなど、他のパーツについては カスタマイズについて のページで説明しています。


