パソコンを買って後悔している人の話で、よくあるのが次のような会話。

「どうしてこれを買ったの?」
「安かったから」

パソコンに限らず、よくあるパターンですね。
安いから買ったは良いけど、使ってみて「思ってたのと違う」となってしまう。
さらに値段を聞いてみると、大して安くもない……

パソコンはどれも同じではないので、用途に合わせたものを買うことが大切です。
これは パソコンで何がしたいのか? のページで述べた通りです。
大して安くないのは 電気店で選ぶべからず のページで述べた通り、家電量販店で、勧められたものをそのまま買っているからですね。

買うときには値段で判断するのではなく、自分にマッチしたものを優先するようにしましょう。

デスクトップパソコン

自宅のみで使うならデスクトップが安い

ノートパソコン

出先で使うなら軽いノートパソコンを

とは言え、みんな「予算」があります。
安い方が良いのは確かですが、性能の良いパソコンは価格が高くなります。

では、どこにお金をかけるべきでしょうか?

パソコンの基本性能は「CPU」というパーツで決まります。
パソコンの頭脳と言えるもので、主に以下のような種類があります。

高性能で高価格の「Core i7」。
中間性能の「Core i5」。
やや安めの「Core i3」。
安物の「Celeron」と「Pentium」。

よって性能を重視する人は、CPU が Core i7 か Core i5 のものを選びましょう。
(詳しくは CPUの選択 のページで説明しています)

※最近は Ryzen という CPU も良く使われています。Ryzen 7 は Core i7、Ryzen 5 は Core i5 に相当します。ただ、Ryzen は名前で性能を判別し辛く、初心者向きではありません。

Intel CPU ランク図

CPU に高級品が使われているパソコンは、製品自体も高級モデルと位置付けられている場合が多く、値段は高くなりますが、全体的に良い作りになっていることが多いです。

逆に CPU が Celeron などの低ランクの場合は、安価モデルか初心者向けモデルの場合が多く、見た目は良さそうでも、中身はそれなりです。

一応、インターネットやブログの更新、メールや書類の作成ぐらいしかやることがない人なら、それほど高い処理能力は要りません。
処理能力が高いとパソコンの起動が早くなり、動きも機敏になりますが、高性能品は高いです。

安価な Celeron や Pentium、Core i3 を使っているパソコンは「初心者にはあまり必要ない高性能を省いて、値段を安くしている」とも言えます。

しかし、初心者こそパソコンを使い始めたら色々やってみたくなるもの……
そのときに Celeron ではかなり厳しいので、安めでも Core i3 以上、できれば Core i5 をお勧めします。

「Celeron や Core i3 のパソコンが安い」と言うと、「いや、お店で見たパソコンは CPU が Celeron だったけど高かったよ? 10万円以上したよ?」と思った方もいるでしょう。

そう、NECや富士通などの電機メーカーのパソコンには、CPU が弱いのに価格が高いものも多いです。
店頭展示モデルは特にそうです。

これは性能以外の部分、例えば発色の良いモニターや、高音質のスピーカー、独自のサポートや機能、軽量化や特殊素材などを備えて、付加価値を高めているからです。

最近の家電メーカーはコストパフォーマンス(費用対性能)でパソコン専門メーカーに太刀打ちできなくなっているため、こうした方法で価値と特色を出しています。
(各メーカーの特徴については まずはメーカーを選ぼう のページをご覧下さい)

NEC ノートパソコン

Core i3だけど約14万円
ブルーレイと高画質をウリとしている

富士通モニター一体型

Celeronなのに約13万円
置きやすいモニター一体型

しかしこうしたパソコンは、買って後悔しやすいパソコンでもあります。
基本の性能が低くて特定の機能に特化しているものは、その機能を活かせる使い方ができないと、単なる低性能機になってしまうからです。
自分の用途や使い方に合っていて、それが価格に見合っているかを考慮しましょう。

本当に安いものは、やはりマウスコンピューターやドスパラなどのパソコン専門メーカーで購入した方が良いです。
余分な付加価値で値段を吊り上げていないからです。

ただ、耐久性やセキュリティが重要なビジネス用ノートパソコンにおいては、家電メーカー製の方が安心できるのもあります。
特に東芝(dynabook)やパナソニックの耐久性技術は、大企業ならではのものがあります。
軽量化についてはNECや富士通が先んじています。

安く買うべきか? サポートや機能を重視すべきか?
相応にお金を出すなら、何が得意なものにお金をかけるべきか?

それをきちんと考えて選択しましょう。

デスクトップPC

デスクトップPCは場所を取るが、予算に合ったものを選びやすい

ノートパソコンを使う人

ノートPCは重視する点が大切
安くて軽くて何でもアリは無理

ノートパソコンの場合、性能だけでなくサイズと重さも気にしたいところ。
持ち運ぶなら12~14型(12~14インチ)で、重さが1.5kg以下のものを選びましょう。
モバイルノート(携帯用ノートPC)と呼ばれているものはこれに相当します。
ただ、軽いものは高価な軽量素材が使われているため、価格は高めになります。

15型以上は持ち運ぶには大きいですが、テンキー(電卓型の数字キー)が付いているものが多く、入力作業がしやすくなります。
このサイズの仕事/一般向けはワーキングノートとも呼ばれます。

最近はエントリーモデルという製品が増えていますが、初心者向けの意味で、低性能・低価格機の別の呼び名ですので注意して下さい。

デスクトップパソコンは持ち運べませんが、同じ名前のパーツが使われていても、性能はノートパソコンより上になります。
(パソコンのパーツにはデスクトップ用とノート用があり、デスクトップ用の方が高性能です)

ただしデスクトップパソコンにはモニター(画面)が別途必要なので、その購入費(2万円前後)を加味して下さい。
(キーボードやマウスも必要ですが、付属している場合が多いです)

ゲームをやりたい人は「ビデオカード」というパーツに注目して下さい。
グラフィックボードとも呼ばれ、これがないと綺麗な映像(3Dグラフィック)が表示されるゲームや設計ソフトはまともに動きません。

ゲーミングモデル(ゲーム用PC)は必ずビデオカードを搭載しているので、その中から選択するようにしましょう。

クリエイターモデル(創作作業用PC)も高いグラフィック機能を持っています。
ただしビデオカードは高価なパーツなので、これらのパソコンは値段が高くなります。

デスクトップPC

ゲーミングPCはグラフィック性能、高速描画、安定性などが重視される

ノートパソコンを使う人

クリエイターPCはグラフィック性能、大容量メモリ、高発色などを重視

メモリも注目される性能ですが、初心者の方はあまり気にする必要ありません。
足りないと遅延や一時的な動作不良が生じやすくなりますが、どのパソコンにも必要量が搭載されています。
(でも8GBだとちょっと少ない。16GB以上あれば無難)

スマホの影響か、メモリが多いほど動作が速いと思っている人がおられますが、メモリは必要量以上あってもそれほど影響しません。
(スマホはメモリの量がギリギリだったりするので影響しやすいです)

画像を多く扱う写真家やイラストレーター、WEB制作者、映像を扱う動画配信者など、創作関連の作業を行う人はメモリは多めにある方が良いでしょう。

他にストレージ(記憶装置)も注目されます。
データを保存できる量はこの性能に左右され、パソコンの動作速度にも関わります。

これらパソコンのパーツについて知りたい方は、CPUビデオカードカスタマイズ の各ページや、用語解説 をご覧ください。